不動産投資で物件を取得する場合、アパートローンを利用する方がほとんどです。
また、不動産投資とは別に、将来マイホームを購入する際にはマイホームローンを利用するのが一般的です。
これら、アパートローンとマイホームローンについては審査方法に若干の違いはありますが、アパートローンを組んでいる事でマイホームローンの審査に影響が及ぶことは間違いありません。
本記事では、不動産投資でアパートローンを組んでいる場合のマイホームローンの扱いについてお伝えします。
マイホームローンの審査基準
まず、マイホームローンの審査の際にはどのような点が見られるかについて解説していきます。
マイホームローンの審査では、勤務先や年収、家族構成、取得する物件の担保価値など、さまざまな項目が審査されますが、中でも重要なのが以下の3つです。
- 年収
- 返済負担率
- 過去の延滞履歴
それぞれについて、詳しく見ていきましょう。
年収
まず、年収がいくらあるか、という点が見られます。
サラリーマンであれば給与所得など安定した収入の額が見られる他、不動産投資にも取り組んでいればその収入をプラスで見てくれるのが一般的です。
金融機関の審査基準によって、年収の〇倍程度まで貸し出せるといった計算がなされますが、このときの融資額は、アパートローンなど他の借入がある場合には、それらの合算となります。
例えば、給与所得が500万円、不動産所得が500万円ある場合で、年収の10倍まで借りられる場合の上限額は1億円ですが、仮にアパートロ―ンの残債が7,000万円あればマイホームローンで借りられるのは3,000万円が上限となります。
返済負担率
住宅ローンでは、年収の内何%までを返済に充てられるのかという返済負担率が見られます。
例えば、先ほどと同じ例で給与所得500万円、不動産所得500万円、合計所得1,000万円で、アパートローンの支払いに20万円/月充てている場合、返済負担率は20万円/月×12カ月÷1,000万円=24%となります。
新しく住宅ローンを借りて、追加で月10万円支払いが発生する場合、返済負担率は{(20万円/月+10万円/月)×12カ月}÷1,000万円=36%となります。
返済負担率の上限については、金融機関ごとに取り扱いが異なりますが、例えば返済負担率の上限が35%に設定された住宅ローンを利用する場合、上記例では返済負担率が36%となっているため返済負担率オーバーとなってしまいます。
この場合、毎月返済額を9万円程度となるよう借入額を少なくすれば、返済負担率が34.8%となり、融資を受けられる可能性があります。
過去の延滞履歴
マイホームローンにせよ、アパートローンにせよ、過去の延滞履歴は厳しく見られます。これは、カードローンやフリーローンなど他のどのローンで延滞していても同じです。
過去に延滞していると融資審査はかなり厳しくなるものと考えると共に、今後、融資を受けられるよう、返済を延滞しないよう心掛けることが大切です。
不動産投資とマイホーム購入どちらを先にすべき?
近い将来、不動産投資とマイホーム購入どちらも検討している場合、どちらを先にすると両方ともうまくいく可能性が高いのでしょうか?
この点、基本的には不動産投資を先に始めた方が有利となりやすいです。
というのも、アパートロ―ンにおいても、マイホームローンと似たような審査がなされるため、融資上限額の点などで影響を受けます。
しかし、不動産投資で取得した物件については、物件から得られる収益を年収にプラスできることが多いのに対し、マイホームは収益を生みださないため審査へのマイナス影響が大きいです。
こうしたことから、不動産投資とマイホームの取得両方を検討されている方は、先に不動産投資で物件を取得してからマイホーム購入を検討した方が有利に進めやすくなります。
不動産投資とマイホーム取得は計画的に進めよう
不動産投資でアパートローンを組んでいると、マイホームローンの審査時にマイナスとなることがあります。
しかし、マイホームローンの審査では、不動産投資によって物件から得られる収益を年収に追加できることも多いです。
こうしたことから、近い将来、不動産投資とマイホーム取得の双方を検討されている方は、年収の計算や融資上限額について、金融機関の担当者からアドバイスを受けながら進めていくとよいでしょう。