本記事は「本気の不動産投資ゼミ」シリーズの第1回です。
本気の不動産投資ゼミでは、不動産投資に関する基本的な知識や考え方を一から丁寧にお伝えし、「これを読めば基礎知識はばっちり」という状態になる内容になっています。
本ゼミの第1回のテーマは「必要な心構え」。
不動産投資を始める前に押さえておきたい心構えについて、お伝えしていきます。
不動産投資ゼミの第一の目的は失敗しないこと
第1回の内容に入る前にお伝えしたいこととして、不動産投資ゼミの内容を通して、知識を得ることはもちろんですが、もう1つの目的を共有しておきたいと思います。
本ゼミの目的は、最低限、不動産投資に失敗しないための知識を身につけることです。
もちろん。成功すればそれが一番良いのですが、仮に収益面で大きく成功できなくても、失敗しなければ、その取り組みの過程で知識と経験が手に入るため、結果的にはプラスになり、その状態でまた新たな投資に取り組むことができます。
これは、株式投資など他の投資でも同じですが、投資では失敗して引退しないようにすることが何より大切です。
投資する中で、勝率100%ということはまずありません。
株で230億円稼いだ個人投資家として有名なcisさんも、PRESIDENTの取材に対し、「トータルの勝率は3割程」と話しています(230億円稼いだ男の「100万円投資」入門)。
同記事内でcisさんは「残り7割はトントンかちょい負け。
それでも負けた額の10倍、20倍の金額で勝つことがあるからトータルでプラスになる」と話しています。
もちろん、投資のスタイルは人それぞれですが、上記で大事なことは「仮に失敗しても成功するまで諦めずに挑戦を続ける」ことだと言えます。
また、そのためにはリスクを適切に把握して大負けしてしまわないことが大切だと言えるでしょう。
自分で情報を収集し、自分で理解し、自分で決める癖をつけよう
前置きが長くなりましたが、早速不動産投資ゼミ1回目の内容に入っていきましょう。
まず、不動産投資に取り組むにあたり身に着けておきたい心構えが「自分で情報を収集し、自分で理解し、自分で決める」ということ。
専門的でなくても構わないので、まずは最低限の用語やルールなどの知識を身につけることが重要です。
なぜなら、不動産投資の世界には悪徳業者や思わぬ罠が待ち構えており、全くの初心者で何も自分で判断できない状況が一番のリスクになるからです。
何も知らないまま不動産業者に相談しにいき、不動産業者に言われたままに物件を購入する…。
それで成功できればよいですが、投資はそこまで甘いものではありません。
もし、その業者が自社の利益しか考えない悪徳業者だったら投資家は思いもよらぬ損害を受けることになります。
教訓にしたい「かぼちゃの馬車」事件
最近では「かぼちゃの馬車」事件が記憶に新しいです。
かぼちゃの馬車事件とは、女性向けシェアハウス「かぼちゃの馬車」を運営するスマートデイズ社が経営破綻した事件で、スルガ銀行による不正融資が社会的問題となりました。
かぼちゃの馬車は、投資家との間でサブリース契約を締結していました。
サブリース契約とは、簡単に言うと「空室状況によらず、毎月一定の家賃を受け取れる」というもので、投資家は経営に関与せず、毎月安定した収入を得られます。
かぼちゃの馬車事件では、その運営会社であるスマートデイズが倒産したことで、サブリース契約により毎月得られるはずだった家賃収入はなくなりました。
また、サブリース契約がなくなったことにより、自分でシェハウスを運営しなくてはならなくなりましたが、入居率はかなり低く、また、相場より非常な高価格で購入していることから、売却しようにもできない状況になっています。
なお、建設価格が高額だった理由は、建設会社からスマートデイズに対して50%近くのキックバックがなされていたためであり、このお金でサブリースの仕組みが維持されていたとされています。
さらに、かぼちゃの馬車ではスルガ銀行による高金利(3.5%~4.5%)の融資が斡旋されていました。
このように、さまざまな問題のあったかぼちゃの馬車ですが、投資家は自分でかぼちゃの馬車に投資する意思決定をしたのですから自分で責任を取らなくてはなりません。
かぼちゃの馬車に投資するのであれば、最低限「サブリース」に関する基本的な知識と、「金利」に関する知識、「建設価格の相場」に関する知識が必要でした。
仮に、それらの知識をしっかり持っていて、投資前に他の物件と比較検討したのであれば、手を出さないはずの内容です。
不動産投資で失敗しないためには、専門家になる必要はありませんが、最低でも書籍やネットで情報収集し「なんとなく知っている」という状況にするべきだと言えます。
不動産投資で失敗しないために必要な3つの心構え
ここでは、不動産投資で失敗しないための心構えについて、以下の3つをご紹介します。
- 自分で勉強して自分で判断する
- 明確な目標を持つ
- 事業であることを理解する
それぞれについて、詳しく見てみましょう。
自分で勉強して自分で判断する
1つ目は、先ほど話した通り、投資するに際しては、自分で勉強して自分で判断するということが大切です。
物件を取得するまでの過程において、不動産会社の担当者や、その他専門家の意見を参考にすることはよいのですが、いざ投資の意思決定するときは自分で判断することが大切です。
明確な目標を持つ
次に、不動産投資における明確な目標を持っておくようにしましょう。
不動産投資で複数棟の取得を目指すのであれば、1棟目に取得した物件が2棟目の融資に影響を与えることがありますし、1棟目の物件がよい物件であれば、2棟目以降の融資がやや厳しいときでも共同担保として提供することで審査の承認が得られることがあります。
このため、不動産投資では計画的に物件を取得していく必要があります。
とはいえ、これは目標をどのように設定しているか、にもよります。
例えば、サラリーマンとして働きながら、ローンを返済していき、老後の年金代わりにちょっとした収入を得たいというのであれば上記のようなことを考える必要もないでしょう。
一方、大きな目標を設定するのであれば、計画的に物件を取得するのもそうですが、スピード感を持って計画を進めていく必要があるでしょう。
なお、目標を設定するときは「期限を設けること」と「具体的な数値にすること」の2点を意識するとよいでしょう・。
例えば、「5年以内に税引き後利益で1,000万円/年」といった目標です。
事業であることを理解する
最後に、不動産投資に取り組むのであれば事業であることを理解した上で始めることが大切です。
金利が低くなり、サラリーマンが不動産投資に取り組むこともそう珍しくなくなりましたが、いざ始めてみたものの、管理会社に任せっきりというのでは失敗する可能性が高くなってしまいます。
これは、会社運営に当てはめてみれば分かりやすいですが、会社の運営を社員に全て任せきりにしている会社がうまく回っていくでしょうか。
(実際には立場は異なりますが)管理会社を利用するにしても、管理会社は社員、自分は社長というつもりで、気になる部分は厳しくチェックしていく、というくらいのつもりで取り組んだほうがうまくいく可能性を高められるでしょう。
不動産投資で失敗しないためには自分で判断すること
本気の不動産投資ゼミ、第1回として「必要な心構え」をお伝えしました。
不動産投資は、まず失敗しないために必要最低限の知識を身に着けることが大切です。
それら、最低限の知識を得た上で不動産会社の担当者や税理士など専門家の助けを得ながら、最終的には自分の判断で不動産投資事業の運営を行っていきましょう。