不動産投資は他の投資と比べて取り扱う資金額が大きい傾向にあるので、うまくコントロールしていく必要があります。不動産投資で失敗をする人の特徴は、まず不動産会社や管理会社などに任せきりにしてしまう点があげられます。プロの力を借りるのは必要であるものの、すべてを任せてしまっては不動産について自ら学ぶ機会を失ってしまうでしょう。
また、絶えず勉強していく姿勢を忘れずに取り組んでいくことが、不動産投資で成功するためには必要です。学びの機会を得るためには、同業者とのつながりを広げていくことも大事だと言えます。そして、不動産投資は事業経営であるため、重要な判断は自分で下さなければなりません。
今回は、不動産投資で失敗をする人の5つの特徴について詳しく解説していきます。
業者に任せきりになってしまう
不動産投資で失敗してしまう人の特徴の1つとして、「業者に何でも任せきりにしてしまう」点があげられます。不動産会社は販売のプロであっても、不動産を運用するプロではない場合があることに注意しましょう。投資は自己責任であるため、不動産会社の話を鵜呑みにしてしまうのはとてもリスクが高いのです。
また、賃貸管理については管理会社に業務を依頼することができるものの、どの会社にお願いをするかは自分で決める必要があります。よく検討をしないまま管理会社に任せてしまうと、入居者との間に思いがけないトラブルを抱えてしまう恐れもあります。不動産投資で成功する第一歩は、自ら勉強していく姿勢を持つ点にあります。
日頃から勉強を重ねていれば、物件について疑問が出たときにその都度、業者にきちんと確認できます。不動産に関する知識が乏しければ、悪徳業者に騙されてしまうといったケースもあります。どのような物件を取得するにしても、不動産投資では多額の資金が必要になるものです。一度の失敗で大きなダメージを受けてしまうことがないように、勉強を続けていくことを心がけましょう。
不動産会社が行うセミナーに参加をしたり、本を読み込んで知識を身につけたりすることが肝心です。必要な知識や経験を得るためにそれなりの期間が必要だからこそ、不動産投資で少しずつ成果を出していけると言えます。
無理なローンを組んでしまう
不動産投資で失敗をする人の特徴として、「無理なローンを組んでしまう」という点があげられます不動産投資では物件を取得するために、ローンを組むのは珍しくありません。
ただ、割高な物件を購入してしまったり、頭金ゼロでフルローンを組んでしまったり、無理にオーバーロンなど組んでしまったら、キャッシュフローが悪化してしまうこともあります。ローンの金利を上回るほどの利回りを上げていれば問題ないものの、それでも空室が発生したり、大規模な修繕で出費が必要になったりもするものです。
金利と利回りのバランスを考えておかなければ、後から返済に苦しんでしまう恐れもあるでしょう。ローンの負担を軽減するためには、金利負担のシミュレーションをしておくことと、自己資金をできるだけ増やすことの2つがあげられます。
金融機関からローンが組めるからといって安易に契約をしてしまうのではなく、さらに有利な金利で借りられないかを検討してみましょう。政府系金融機関である日本政策金融公庫を利用すれば、比較的低い金利で資金調達が行えます。
事業計画書などを作成する必要はありますが、きちんと返済に問題がないかを試算する意味でも、利用を検討する価値があるでしょう。そして、自己資金をできるだけ用意しておけば、その分だけ借入額を減らすことができます。
借入額が少なければ、月々の返済額も少なくて済むため、余裕を持って不動産投資を継続できるでしょう。マイナス金利などの影響もあり、一部の金融機関では不動産投資ローンを積極的に貸し出している面もあります。
フルローンやオーバーローン(物件の資産価値以上の融資を受けること)の利用が可能であっても、冷静になって返済が可能であるのか考える必要があるのです。用意すべき自己資金の目安としては、最低でも物件価格の10%程度は準備しておきましょう。
毎月の収支や突発的な修繕費の発生などに備えるならば、物件価格の20~30%程度の自己資金を用意しておいたほうが無難です。無理なローンを組んで物件を手放すという事態を避けるためにも、ローンを組む際には十分な検討を重ねてみましょう。
人脈を広げようとしない
より良い物件を手に入れて不動産投資を成功に導くためには、人脈を広げていくことが大切です。不動産会社や管理会社といったプロだけでなく、同業者の人脈を広げていくのがポイントになります。セミナーや本で勉強して知識をつけることは大事であるものの、不動産投資を実際に経験している人の話はさらに貴重です。
逆に言えば、不動産投資で失敗してしまう人は「同業者の人脈を広げようとしない」という特徴があります。どの物件を購入するかといった最終的な判断は、自分自身で行う必要がありますが、自分の感覚だけに頼って、誤った判断を下してしまうケースもあります。同業者の仲間がいれば客観的な意見をもらえるため、失敗する確率を下げられます。悩んでしまったときに、気軽に相談できる相手がいるのは心強くもあるのです。
ただ、異業種交流会などを通じて、むやみに人脈を広げようとする必要はありません。本当に信頼できる人とのつながりを持つことが大切なのです。そして、良好な関係を維持していくためには、自ら情報提供ができることも肝心だと言えます。いつも相談に乗ってもらってばかりいては、良い関係を維持するのは難しくもあるものです。相手にとっても良い刺激となったり、有益な情報を与えたりできるように勉強を重ねてみましょう。
事業経営であることを理解していない
株式投資などとは異なり、不動産投資は自分一人で完結するものではありません。さまざまな業者や入居者などとのやりとりが必要であるため、不動産投資は事業経営と呼んでも過言ではないのです。
不動産投資を事業経営として捉えるならば、何よりも大切なのは収益を得る点にあります。安定した収入を得るために何をすれば良いのかを常に考える必要があるでしょう。きちんと収益が確保できていなければ、不動産投資を継続することは難しくなります。どのような経営を行えば、入居者の満足度を高められるのかといった視点で行動していくことが大切です。
特に大事なポイントは、物件の管理業務にあります。普段の清掃や設備の点検などは管理会社に任せるとしても、入居者の満足度を向上させる工夫は自ら行っていく必要があるのです。入居者が安心して住める環境を提供すれば、空室率も低下して収益の面でも安定化が図れます。
ただ、その一方でコストを意識することも大切です。入居者の満足度を高めようとして、設備投資などに過大な費用をかけてしまえば、物件を維持することそのものが難しくもなります。入居者の満足度とコスト意識のバランスを取りながら、物件を運用していくことを押さえておきましょう。
本業を疎かにしてしまう
不動産投資は不労所得と言われるものの、実際に安定した収入を得るまでにはそれなりに時間もかかります。すぐに結果を出したいという気持ちが強くなるあまり、本業を疎かにしてしまうと失敗しやすいと言えるでしょう。
不動産から得られる収入が安定する前に、仕事を辞めてしまうといったことは避けるべきです。そのときの収支ではバランスが取れていたとしても、空室が出てしまったり、災害などによって大幅な修繕費用が必要になってしまったりすることもあります。
そうしたときに別の収入源が確保できていなければ、返済に苦しむことになります。また、不動産投資が軌道に乗る前に仕事を辞めてしまえば、金融機関のローンも組みづらくなってしまいます。せっかく良い物件を見つけたにもかかわらず、与信が低下してローンが組めないといった事態も起こってしまうのです。
いずれにしても、不動産投資は中長期にわたって行うものでもあるため、冷静に取り組んでいきましょう。
基本的なポイントを押さえて取り組もう
不動産投資はこれまで多くの人が取り組んでいるということもあり、失敗する人の特徴はある程度パターン化されています。そのため、あらかじめ失敗しやすいポイントを押さえておき、不動産投資の全体像を捉えておくことが大切です。
不動産の運用は事業経営に近い部分があるので、さまざまな知識が必要となります。不動産会社などの業者に任せきりにしてしまうのではなく、自ら学んでいく姿勢を持つことが重要です。
そのうえで、同業者との交流を深めて有益な情報を得ていきましょう。自分の感覚だけに頼ってしまうのではなく、客観的な判断を下すためにも周囲の意見に耳を傾けることが大事です。