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不動産投資でフルローン、オーバーローンは危険な賭け | TAFU!
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不動産投資コラム

不動産投資でフルローン、オーバーローンは危険な賭け

不動産投資では取得対象の物件を担保に融資を受けられますが、1割~2割程度の自己資金(頭金)を用意する必要があるのが一般的です。

一方、フルローンオーバーローンを利用すれば、自己資金を貯めることなく、物件を取得できますが、利用にはデメリットもあります。不動産投資では、フルローンやオーバーローンを利用するのと、自己資金を貯めてからローンを組むのとではどちらがよいのでしょうか。

本記事では、不動産投資におけるフルローンやオーバーローンを利用する場合と、自己資金を入れて融資を受ける場合とについて、それぞれのメリット・デメリット等お伝えしていきます。

フルローンとは

フルローンとは、自己資金を使わずに全額借入するローンのことを言います。不動産投資ローンは物件価格(土地や建物)の8~9割程度の融資となっているのが一般的です。

しかし、金融機関によっては、借りる人の状況によって物件価格の10割の融資を受けられることがあります。1億円の物件取得に対し、1億円の融資を受けることをフルローンと呼びます。

物件取得に必要な費用

不動産投資において、物件を取得する際には以下のような費用がかかります。

  • 物件価格(土地や建物)
  • 仲介手数料
  • 印紙税
  • 登記費用(登録免許税や司法書士報酬)
  • ローン手数料
  • 火災保険料
  • 固定資産税精算金

この内、物件価格以外の費用のことをまとめて「諸経費」と呼びます。不動産投資ローンは物件価格(土地や建物)の8~9割程度の融資となっているのが一般的です。例えば、1億円の物件取得であれば、その内1割~2割は自己資金で用意する必要があります。

また、通常、不動産投資ローンは諸経費については対象外です。例えば、諸経費が1,000万円かかるのであれば、物件価格の残り1割~2割に加えて、諸経費分が必要です。上記計算例で言うと、1億円の物件を取得するのに2,000万円~3,000万円程度は自己資金を用意しておく必要があります。

オーバーローンとは

一方、オーバーローンは物件価格以上の融資を受けるもので、諸経費まで融資を受けられます。同じ例で、1億円の物件を取得するのであれば、1億1,000万円の融資を受けて頭金(自己資金)0円で取得できます。

なお、不動産会社の謳い文句で「頭金0円」と書かれているものについては、フルローンで諸経費については頭金に含めていないものと、オーバーローンで本当に頭金0円で取得できるものとがあります。フルローンやオーバーローンは、最初に用意する資金を少なく済ませることができますが、借入額が大きくなるとそれだけ毎月の返済額が大きくなり、資金繰りが難しくなるというデメリットがあります。

フルローン・オーバーローンのメリットとデメリット

メリット

フルローンやオーバーローンを利用するメリットとしては、頭金(自己資金)を貯める必要がないため、購入までの時間を短縮できるということが挙げられます。レバレッジをかけた投資ができると言うこともできます。

例えば、1,000万円の頭金を貯めようと思えば、月に10万円貯蓄して8年超、月に20万円の貯蓄で4年超の時間がかかります。仮に5年早く投資を始められたとしたら、5年間早く物件からの家賃収入を得ることができ、貯めようと思っていた自己資金1,000万円ももっと早く貯めることができるでしょう。そのお金で、繰上げ返済してもよいですし、次の物件を取得する原資にしてもよいのです。

デメリット

一方、フルローンやオーバーローンを利用すると返済負担が大きくなってしまいます。例えば、1億円の物件取得にあたり、自己資金1,000万円、諸経費1,000万円の計2,000万円を自己資金で賄う場合、借入額は9,000万円です。これを、金利1%、借入期間30年で借りられた場合、毎月返済額は約33万円です。

一方、同じ物件をオーバーローンで借入する場合、借入額は1億1,000万円となり、その他の融資条件が同じであれば毎月返済額は約41万円となります。返済額のが毎月8万円、年間96万円違いますから、その差は非常に大きいと言えるでしょう。不動産投資では資金繰りが非常に重要です。基本的には、オーバーローンはもちろん、フルローンもおすすめできるものではありません

フルローン・オーバーローンを利用してもよい人とは

フルローンやオーバーローンは頭金を貯める時間を短縮できるというメリットがある一方、取得後の資金繰りが悪化してしまうことから、基本的にはおすすめしません。しかし、以下のような方は利用を検討してみてもよいでしょう。

  • 自己資金はあるが温存したい方
  • 新築物件で土地はすでに所有されている方

まず、支払おうと思えば自己資金を支払えるという方です。不動産投資では毎月の管理費や修繕費などの他に、不動産取得税や所得税・住民税など突発的にまとまった資金が必要となることがあります。

そうした時のために自己資金を温存する目的で、フルローンやオーバーローンを利用するのであれば、検討の余地はあるでしょう。いざ、資金繰りが厳しくなってしまった時には、繰上げ返済して返済額を減らすこともできるからです。

また、相続などで土地を取得しており、その土地の上にアパートを新築するといったケースでは、フルローンやオーバーローンでも土地代が自己資金のような役割を果たしてくれます。

そもそもフルローン・オーバーローンは厳しくなっている

2018年に社会的に大きく取り上げられたスルガ銀行による不正融資問題などを要因として、不動産投資では融資が厳しくなってきています。実際、日経新聞の記事によると、全地銀105行に対して行われた調査で、アパート融資の審査に関し、以前より「厳しくしている」、「厳しくする方向で検討」と回答した銀行が42%に上ったとされています。

こうした動きの中で、以前にも増して融資審査に際して自己資金を準備しておくことが重要になってきています。

自己資金を入れるメリット

不動産投資の融資審査が厳しくなってきており、以前にも増してまとまった額の自己資を用意する必要が出てきたことをお伝えしました。とはいえ、こうした傾向は歓迎すべきだとも言えます。自己資金をしっかり用意することで、後に資金繰りに苦しむ可能性を抑えることができるからです。ここでは、物件を取得するのに際し、自己資金を入れるとどのようなメリットがあるのかお伝えしたいと思います。

資金繰りがよくなる

まず、自己資金を入れることで資金繰りがよくなります。先述の通り自己資金を入れれば借入額を少なくでき、毎月の返済額を低く抑えることができるからです。

売却しやすくなる

次に、自己資金を入れることで売却しやすくなるというメリットがあります。不動産投資ローンを組んで物件を購入した場合、抵当権を抹消するため、売却時にはローンを完済する必要があります

物件購入時の価格より、物件売却時の価格が大きく下がっていると、その差額を手持ち資金で埋め合わせる必要があり、手持ち資金を用意できなければそもそも売却できません。

しかし、最初に自己資金を入れておけば、それだけ残債は少なくなり、売却できない可能性を低くできます。

フルローン・オーバーローンは避けるべき

不動産投資におけるフルローンやオーバーローンについて解説しました。フルローンやオーバーローンはレバレッジが効いているため投資対効果は高いですが、資金繰りが悪化するため、基本的にはおすすめしません。

特におすすめしないのはあえて頭金を払わないのではなく、払えない人がローンを組むことです。仮に利用できたとしても、フルローンやオーバーローンは極力利用せず、むしろ少しでも余裕を持って自己資金を貯めておくことが大切です。

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