J-REITは不動産投資信託のことであり、少額から投資が行えます。
不動産投資とは異なり、分散投資が比較的行いやすく、プロの専門家が運用をするため安心できるといったメリットがあるのです。
その一方で、物件を直接所有するわけではないため、市場の動向に資産価値が左右されやすいといったデメリットもあります。
また、手軽に始めやすい分だけ、リスク管理を適切に行っていく必要があると言えます。
今回は、J-REITのメリットとデメリットについて詳しく見ていきましょう。
J-REITの3つのメリット
J-REITのメリットは主に3つあげられます。
投資を始める前に、それぞれの特徴についてきちんと押さえておきましょう。
少額で投資可能
J-REITは証券取引所に上場している不動産投資信託であり、株式などと同様に自由に売買が行えます。
ネット証券を通じて購入すれば、インターネット上で取引ができて便利です。
ファンドが多くの個人投資家から資金を集めたうえで、さまざまな不動産を所有し、そこから得られた家賃収入を投資家に還元していくのがJ-REITの基本的な仕組みです。
個人では一等地のオフィスビルを取得するのは難しいですが、J-REITであれば少額から投資を行えます。
証券取引所に上場されている銘柄も60程度あり、平均的な利回りは4%ほどとなっているのです。
不動産投資に興味はあるものの、物件を取得するほど資金がないという場合には、J-REITでの資産運用を検討してみると良いでしょう。
分散投資によるリスクの低減
J-REITが投資対象としている不動産は、さまざまなものがあります。
オフィスビルをはじめとして、賃貸マンション・商業施設・ホテル・物流施設などとなっており、銘柄によって利回りや安定性が異なります。
また、複数の銘柄を1つに組み込んだ商品も販売されているので、分散投資を行いやすいといった特徴も備えているのです。
一般的な不動産投資では、複数の物件を所有するには多くの資金が必要となります。
しかし、J-REITであれば少ない資金でも分散投資が行えるので、投資リスクを抑えられるのです。
専門家による運用
物件を取得して、自ら維持管理を行っていくのは手間や時間がどうしてもかかってしまうものです。
管理会社にある程度は任せるにしても、それなりに不動産に関する知識が必要でもあります。
J-REITであれば、投資のプロが投資家に代わって運用を行ってくれるので、不動産に詳しくなくても始められるのです。
普段は仕事や家事で忙しく、投資の勉強に多くの時間をかけられないという人でも気軽に取り組めるメリットがあります。
J-REITの2つのデメリット
J-REITはメリットが多い反面で、少なからずデメリットもあります。
どのような点に気をつけるべきかを見ていきましょう。
物件は所有できない
不動産投資信託であるJ-REITはあくまでも金融商品であるため、物件そのものを所有するわけではありません。
そのため、物件を取得して長期的に家賃収入を得たいという人には向いていないと言えます。
また、上場している銘柄にしか投資が行えないため、自分が欲しい物件に直接投資を行うといったこともできません。
間接的にしか、不動産投資を行えないという点に注意しておきましょう。
元本割れのリスク
J-REITは金融商品であるため、他の金融商品と同様に元本割れのリスクがあります。
不動産市場の悪化によって、銘柄そのものが上場廃止となってしまう可能性もあるのです。
また、突発的な自然災害などによって、投資対象となっている物件が大きな損害を被る場合もあります。
利回りが保証されているわけではないため、実際に投資を行う際にはリスク管理を徹底しておく必要があるのです。
仕組みを理解することが大切
J-REITは少額から投資ができ、さまざまな銘柄の取引が行えるので分散投資にも向いています。
また、専門家が運用を行うので、不動産の知識があまりなくても始めることが可能なのです。
その一方で、株式などと同じように元本割れなどのリスクも存在します。
余裕資金で投資をすることを心がけて、リスク管理を徹底しましょう。
J-REITの基本的な仕組みを理解して、メリットとデメリットをよく踏まえたうえで投資を行ってください。