海外不動産の取得を考えている方は、海外不動産の取得にはどのようなローンが利用できるのか気になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ご存知の通り、不動産投資では取得する不動産を担保に融資を受けられることからレバレッジを効かせた投資が可能ですが、海外不動産投資ではどうなっているのでしょうか。
本記事では、海外不動産投資のローンについて実際の商品を取り挙げながら解説していきます。
海外不動産の取得にローンは利用できるの?
不動産投資に取り組まれている方の中には、海外不動産の取得を視野に入れている方もいらっしゃるでしょう。
そうした人の中には海外不動産の取得にローンを利用できるのか不安を感じている方もいるのではないでしょうか。
結論から言うと、海外の不動産取得にローンを利用できる金融機関はそう多くありません。
これは、海外の不動産を担保にローンを借りるとなると、その査定や担保設定に手間がかかるからです。
中には海外不動産向けローンを提供している金融機関もありますが、国内不動産投資ローンと比べて一般的に審査のハードルが高く、金利も高くなっています。
国内で海外不動産投資ローンを組める金融機関
ここでは、実際に海外不動産投資にローンを利用できる金融機関をご紹介したいと思います。
日本政策金融公庫
日本政策金融公庫には「海外展開・事業再編資金」に利用できるローンがあります。
- 利用できる人:経済の構造的変化等に適応するために海外展開する必要がある人
- 融資限度額:7,200万円(設備資金:2,800万円 運転資金:4,800万円)
- 返済期間:設備資金:20年以内 運転資金:7年以内
- 金利:1.16%〜2.15%/無担保の場合2.16~2.55(令和元年5月7日現在)
- 担保:希望に応じて審査
- 海外展開・事業再編資金の概要
金利の高くなりがちな海外不動産投資において、低金利でローンを組めるためぜひチェックしておきたいところです。
オリックス銀行
オリックス銀行の不動産担保ローンでは、首都圏や近畿圏、名古屋市、福岡市などに居住用不動産をお持ちの方を対象に、「所有不動産を担保にして」海外不動産購入資金として充てられます。
- 利用できる人:首都圏や近畿圏、名古屋市、福岡市に不動産を所有していること
- 融資限度額:1,000万円~2億円
- 返済期間:最長35年
- 金利:3年:3% 5年:3.5% 変動:3.675%
- 担保:国内不動産を担保
- オリックス銀行不動産担保ローン
SBJ銀行
こちらは、現地の不動産を担保に融資を受けられる商品です。
2019年3月1日に日本保証とSBJ銀行が提携して登場したローンで、米国ハワイ州ホノルルを所在地とする不動産購入の際に利用できます。
- 利用できる人:米国ハワイ州ホノルルの不動産を購入される方
- 融資限度額:1,000万円~2億円
- 返済期間:最長35年
- 金利:2.80%
- 担保:現地不動産(米国ハワイ州ホノルルにあることが条件)
- SBJ銀行海外不動産(ハワイ州ホノルル)購入ローン
なお、以前、日本保証は西京銀行と提携して所在地の制限なく海外不動産を担保に融資を受けられる商品を提供していましたが、TATERUの不正融資問題で融資がストップしています。
こちらも将来的には融資が再開する可能性があるため、動向を見守っておくとよいでしょう。
フリーローンを利用する方法もある
海外不動産取得について3つの方法をお伝えしましたが、いずれも審査のハードルは高めなのが実際のところです。
条件もよいため、まずは上記3つのローンを利用できないか検討してみると共に、融資の承認を得られないときは、資金使途自由のフリーローンの利用も視野に入れてみるとよいでしょう。
もちろん、取得対象不動産や国内不動産を担保に取れるローンと比べると借入額は少なく、金利は高いのが一般的なので、自己資金での購入を基本としつつ、不足分を補う程度に考えなければなりません。
手残り額の計算はより慎重に
海外不動産投資において、ローンを利用する場合は金利が高めになるため、より一層、海外不動産から得られる収益からローン返済額を差し引いた手残り額について計算し、慎重に判断する必要があります。
また、問題があったときのトラブル解決にもまとまった資金が必要となる点も留意し、余裕のあるキャッシュフローを意識しましょう。