不動産投資の成否を分ける大きな要因として、立地の良し悪しがあげられます。特に、マンションの場合であれば立地は生命線とも言えるものです。都心に近いほど需要はあるものの、収益の面から見た場合には地価も高く、多額のローンを組まなければならない場合もあります。
ただ、主要なターミナル駅の近辺や駅から徒歩10分圏内で、物件を取得するほうが不動産投資においては絶対的に有利です。不動産投資で失敗しない物件選びとは、シンプルに「駅に近い」「買い物がしやすい」「静かな住環境」といったわかりやすい顧客のニーズに沿うように、物件や立地を考えていくほうが良いのです。本記事では、不動産投資で失敗しないためのポイントを紹介します。
立地が重要である理由
不動産投資において立地が重要であるのは、収益にそのまま関係するからです。物件自体は良いものでも、交通の便が悪かったり、買い物をする場所が少なかったりするエリアでは、需要があまり見込めません。入居希望者からすれば生活するにあたって不便だからです。
また、一般的にオフィス街として有名な地域は、個人向けの不動産投資には向いていないと言われています。逆に言えば、駅前に多くの店舗がある地域や商店街がある地域であれば、需要は高くなります。平日だけでなく、休日にも活気があるかという点が立地を考えるうえでは重要になります。
主要なターミナル駅に電車一本で行けたり、駅までの距離が近いという立地であれば、単身者世帯に人気が出ます。入居者を集める際のターゲットとなる層が、「この街に住んでみたい」と思える立地を意識することが大切です。
立地が良ければ物件価格は上がる
人気が高いエリア・立地というのは、それだけ物件を取得するためのハードルも上がります。安定した収益が手に入る物件を手放そうとする人は少ないため、たとえ良い物件に巡り会えたとしても価格が釣り上がっている場合あるので注意が必要です。
物件を取得することで得られる利回りと、ローンの金利を比較してきちんと採算がとれるのかを検討する必要があります。基本的には都心に近過ぎる地域を避けて、主要なターミナル駅まで電車一本で20分程度で行けるエリアを狙ってみましょう。
不動産会社任せはNG
立地の良い場所にある物件で、資産価値が高い物件であることが不動産投資においては重要です。好条件の物件を入手すれば安定した収入が得られるため、投資で成功する確率も高まります。そこで重要なのは物件選びを自分の目で行うことです。
現地に一度も赴かずに不動産会社に言われるがまま、物件を購入してしまってはいけません。不動産会社は物件を売ることが目的であるため、メリットのほうばかりが強調されてしまう傾向にあります。投資のリスクや物件のデメリットなどを把握しないまま、投資を始めても失敗する可能性が高まってしまうでしょう。
入居者目線で物件選定を
入居者目線を意識して、本当に住みたいと思える場所なのかをチェックするためにも、現地に足を延ばしてみることは必要です。実際に自分の目で見たり、近隣の住民の話を聞いたりすることで、本当の意味での物件の資産価値が把握できるかもしれません。
また、不動産会社を選ぶ際には初めから1社に絞ってしまうのではなく、複数の会社を比較してみましょう。セミナーなどに参加して、自分と相性の良い会社を選ぶことが大切です。何か分からないことがあれば何でも質問できるといった不動産会社と付き合うほうが、長期的に見て良好な関係を築けるでしょう
周辺環境を意識する
物件の立地を考えるうえでは、周辺環境にも注目をしておく必要があります。駅から物件までの道のりを把握したり、近隣の店舗を確認したりといった作業は入居者を募るために重要なポイントです。
また、ゴミの収集場所や騒音がうるさくないかなど、住む人の立場に立って周辺環境をチェックしてみましょう。現地に赴いて確認するのが一番であるものの、効率良く確認作業を進めるために、インターネットを使ってマップをチェックする手段もあります。Googleマップなどのアプリを利用すれば、物件周辺の状況を確かめられるので便利です。
そして、Webを通じて得られた情報を基にして、現地での確認を行いましょう。現地調査は日中に行うのが基本であり、インターネットの情報との整合性をチェックします。実際に物件までの道のりを歩いてみることで、信号待ちや踏切の状況なども確かめられるでしょう。
さらに、物件に空室がある状態であれば、内見することも大切です。不動産会社の協力も得ながら、できるだけ多くの情報を集めて、物件の資産価値を正しく把握しましょう。事前に入念なチェックを行っておけば、その後の管理もラクになります。あくまでも、入居者の視点に立ってチェックを行うことが大切です。
入居者が10年後や20年後も住みたくなるような場所を選んで、物件を取得してみましょう。
資産価値を保つには管理が重要
需要のある立地で物件が取得できたとしても、管理が行き届いていなければ、物件の資産価値は低下してしまいます。清掃が行き届いていなかったり、共用スペースの設備に不具合があるまま放置されたりしていると、入居者にとっては魅力的な物件に見えないでしょう。
不動産投資における管理は、「賃貸管理」と「建物管理」に分けられます。賃貸管理は入居者を募るところから始まり、審査を行って契約書を締結し、苦情の対応まで行う管理業務です。そして、建物管理は保守点検を行う業務であり、設備の点検や修繕、清掃などを担います。
複数の物件を所有していたり、別に仕事を持っていたりすれば、すべての管理業務を自分一人で行うのは難しいものです。特に、賃貸管理は細々とした作業も必要になってくるものであり、対応次第では入居者とトラブルになってしまうでしょう。
信頼できる管理会社を選ぶことによって、業務にまつわる負担を減らすことができ、スムーズに不動産投資を行えるのです。
入居者の視点で立地を選ぼう
不動産投資を成功させるためには立地が大事であり、購入価格と物件の資産的な価値を照らし合わせて検討することが重要です。いくら需要の高い地域で物件を取得したとしても、資金状況につり合わない金額のローンを組まなければならない場合は、キャッシュフローが悪化してしまう可能性もあります。
得られる収益とのバランスを考えて、利便性の高い地域で物件を取得しましょう。そして、入居者の目線に立ったうえで満足度が高いかどうかを判断すべきです。不動産会社や管理会社に任せきりにしてしまうのではなく、実際に現地に赴いて自分の目で確かめてみましょう。
可能であれば部屋の内見も行い、住む側の立場に立って物件の本当の価値を見極めることが重要です。不動産投資を効率的に行っていくためには、良い物件を取得したうえで管理業務などをプロに任せていく姿勢を持つのも大切だと言えます。プロの力を上手に使いながら、生まれた余裕で新たな物件を探していくのも1つの方法なのです。
不動産投資で失敗しないためにも、立地や管理といった基本的なポイントを押さえて取り組むのが重要です。