ソーシャルレンディングのなかには、不動産関連事業のファンドとして投資家を募っているものがあります。
その一方で、実物不動産への投資熱も旺盛であり、新たに不動産投資家としてスタートを切る人もいるのです。
どちらも不動産に投資をするという点では同じではあるものの、利回りの点においてどちらが優れているのか気になってしまう人もいるでしょう。
ソーシャルレンディングと実物不動産投資について、安全性やリスク面も含めて解説していきます。
ソーシャルレンディングが流行る理由
不動産投資のなかには実物の不動産に直接投資するだけでなく、ソーシャルレンディング事業者を通じて間接的に不動産投資を行う方法もあります。
いわゆる不動産ファンドと呼ばれるものであり、ソーシャルレンディング事業者は投資家から集めた資金を不動産事業者に貸し付けることによって利益を得て、投資家に分配するのです。
実物不動産にかかる労力
投資家の間でソーシャルレンディングが流行る理由は、取引の手軽さにあります。
口座開設を行ったうえで投資する不動産ファンドを選び、投資の申込手続きをすれば、後は事業者から送られてくるレポートをチェックすれば良いだけです。
実物不動産への投資と比べて、ずいぶんと手間が省けるため、多くの人が注目していると言えます。
一般的な実物不動産への投資は物件選びから始まり、仲介会社を通じて売主と交渉する必要があります。
さらに、銀行融資や契約手続き、物件の引き渡しを受けたら入居希望者を募らなければなりません。
そして、物件の維持管理なども行わなければならないため、初心者にとってはハードルが高い部分もあるのです。
利回りの違い
実物不動産投資における首都圏の表面利回りの平均は、2016年現在で5.7%程度となっています。
あくまでも平均であるため、家賃の設定金額次第では利回りを高めることができるでしょう。
しかし、相場よりも高過ぎる家賃を設定してしまっては、空室リスクも発生してしまいます。
また、実物不動産においては物件の維持管理費用なども発生するため、実際の利回りは下がると言えるのです。
その一方で、ソーシャルレンディングの場合は2017現在で、平均利回りが8.5%程度となっています。
事業者に対する手数料などを差し引いたとしても、利回りの面では実物不動産への投資よりもソーシャルレンディングのほうが良いでしょう。
取引の安全性
ソーシャルレンディングでは、投資家保護の目的で不動産に担保設定を行っているファンドが多いと言えます。
投資家が安心して資金を出しやすい環境が整っているのです。
実物不動産への投資の場合は、物件の良し悪しを最終的には自分で見定めなければならないため、価値の低い物件を高値で掴まされてしまうこともあります。
また、ローンを組んで物件を購入する場合には、返済が滞ってしまえば物件を強制的に売却されてしまうというリスクもあるのです。
流動性の比較
ソーシャルレンディングでは、投資を行ってから満期を迎えるまでは途中で解約ができません。
そのため流動性が低く、価格が急落しても状況を見守ることしかできなくなってしまいます。
その一方で、実物不動産への投資も基本的には流動性が低いと言われています。
ただ、売却価格を相場よりも低めに設定すれば、すぐに買手が見つかることもあるので、ソーシャルレンディングよりは流動性があるのです。
投資対象の特性を理解しよう!
ソーシャルレンディングは、物件の選定や維持管理を投資家自らが行う必要はないため、気軽に始めやすいメリットがあります。
ただ、いったん投資をすれば満期まで途中解約ができないため、流動性が低いというデメリットもあるのです。
実物不動産への投資は、投資を始めるまでの手続きに手間がかかるため、初心者にはハードルが高い面があります。
その一方で、自分の工夫次第で物件価値を高め、利回りを上げていくことも可能です。
それぞれの投資対象の特性をよく理解したうえで、投資を検討してみましょう。