不動産投資の情報サイトを運営している健美家株式会社が2019年4月4日に、「2019年1~3月期 収益物件市場動向・四半期レポート」を発表しました。
それによれば、全種別で価格が上昇していることが分かります。
今回の発表をもとに、区分・一棟の利回りと物件価格のトレンドについて見ていきましょう。
全体的に価格は上昇
今回の調査では、区分マンション・一棟アパート・一棟マンションのいずれも、物件価格は上昇しています。
ただ、その一方で投資利回りはわずかながらも低下しているのです。
それぞれの種別について、解説していきます。
区分マンション
区分マンションでは物件価格は1,551万円となっており、前期比10.79%の上昇と好調な様子を示しています。
前期に続いての上昇であるため、区分マンションそのものに人気が集まっていると言えるのです。
その一方で、投資利回りは7.36%であり、前期比で0.45%の低下となっています。
物件価格の上昇が、賃料アップにうまくつながっていない傾向が見られるのです。
一棟アパート
一棟アパートについては物件価格が6,607万円であり、前期比0.46%の上昇となっています。
2017年1~3月期が6,487万円であったため、おおむね横ばいの状態が続いているのです。
投資利回りは8.77%で、前期比0.06%の低下となっています。
2017年の同時期と比較しても、あまり目立った変化は見られません。
一棟マンション
一棟マンションの物件価格は1億5,660万円で前期と比べて1.24%の上昇であり、価格は上昇へと転じました。
投資利回りについては、8.07%とわずかに低下をしています。
物件価格・投資利回り共に、2017年1~3月期の水準とほぼ変わらない状態となっているのです。
足元は「様子見」という判断も
全種別で物件価格は上昇しているものの、投資利回りは低下しているというのが今回のレポートから判断できます。
マイナス金利等の金融政策が当面続いていくことが予想されるため、不動産価格はしばらくの間は上昇を続けるものと思われます。
健美家が行った「第11回 不動産投資に関する意識調査」によれば、物件価格の下落を待っている投資家が多いことが分かり、積極的な売買よりも「様子見」といったスタンスの人が増えているのです。
スルガ銀行などの不祥事の影響を受けて、金融機関の融資審査が厳しくなったことから、「現金で購入」をする投資家が増加しています。
物件種別では、区分マンションや戸建賃貸の購入が多くなっており、物件価格の上昇要因となっているのです。